セメント・ガーデン(イアン・マキューアン)
父親が死に、その翌年には母親が死んだ。父親の遺した大量のセメントを使って母親の死体を地下室に隠した子どもたちは、その事実を伏せてこれまで通りの生活を続けていくことにした。姉のジュリーはボーイフレンドと遊び回り、「ぼく」は風呂に入るのを拒み、妹のスーは部屋に引きこもり、弟のサムは赤ちゃんの真似事を始めるようになる…。
よるべのない不安が具現化し、家や子どもたちそのものをじわじわと腐らせていくかのような気味悪さ。読み心地は最悪だけど引き込まれる。
マキューアンの長編一作目なんですと。